スノーボードで疾走し、ゲレンデに花を咲かせる。柴田(宮城)の野崎蘭(2年=秋田スノーボードクラブ)は、プロスノーボーダーとして、国内外の舞台で戦う女子高生だ。

野崎は小学1年にスノーボードに触れ、6年時にアルペン大会初参加を機に、競技へ打ち込むようになった。中学時に全国入賞を経験すると、昨年3月に長野で開催された全日本スノーボード選手権で全国初優勝をつかんだ。「前日の回転で失敗してしまって、何が何でも優勝したいという気持ちだった」。家族の支えもあり、夏でも長野県内のスキー場で大画面に映し出されたコースを滑走する練習に取り組み、努力を結果に結びつけた。

17年の韓国を皮切りに、18年は韓国と中国の国際遠征を経験。今季からはプロ選手として、数社と道具支援などのスポンサー契約を結び、5カ国で大会や練習に挑んだ。遠征先で過去にメダル獲得の経験がある海外選手らと一緒に滑走し、技術等の実力差を肌で感じ取った。

今季、韓国で開催されたワールドカップ(W杯)を観戦し、華やかな舞台に気持ちを動かされた。野崎は色紙に「めざせワールドカップ」と記し、「夢はワールドカップの表彰台に上がって、多くの人に憧れられるような選手になること」。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、国内外の公式戦中止が相次いでおり、今後は長野県内で調整を続けていく。大舞台の表彰台で笑顔を咲かせるため、挑戦を続けていく。【相沢孔志】

◆野崎蘭(のざき・らん)2002年(平14)10月7日生まれ、宮城・大河原町出身。大河原小1年でスノーボードを始め、6年時にアルペン競技を本格的に始める。大河原中2年で全日本選手権6位入賞、翌年は同選手権で2位。柴田高に進学し、1年時に同選手権の大回転ジュニアで優勝。その後プロに転向した。身長153センチ。家族は両親、兄2人。趣味は映画観賞。好物は焼き肉。