バスケットボールBリーグは27日、都内で臨時理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今季の残りのレギュラーシーズンや年間王者を決めるチャンピオンシップ、1部(B1)と2部(B2)の入れ替え戦など残り全試合を中止すると発表した。2月26日に延期決定後、14日には無観客で再開したが、選手らの発熱で再度中断。4月4日からの再開を目指していた。今季優勝チームはなく、各地区の順位が確定。B1の降格はなく、B2の2チームが昇格する。

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中止により3連覇がついえたB1のアルバルク東京の林邦彦社長は、チームを通じて「理解できる決定として受け止めております」と、リーグが下した苦渋の選択を受け入れた。B1中地区首位を独走していた川崎ブレイブサンダースの元沢伸夫代表も、「感染防止拡大に努めるための決定であることを受け止め、尊重いたします」とコメントを寄せた。

B2は経営が不安定なクラブも多く、入場料収入の減少などで資金難が懸念される。資金繰りが問題となり19年にB1からB2に降格したライジングゼファー福岡の河本副社長は、中止の決定に「やっぱりショック」と心境を吐露。それでも今季の収益の見通しについて株主と連日話し合いを重ねており、支援継続を確認。チームは今後も確実に存続することを強調した。B1復帰、さらにはB1優勝を目指す長期計画は揺るがず、「こんなときだからこそ、地元に元気を届けたい」と力を込めた。

B2東京エクセレンスの向井昇社長は「都内に本拠地を置くクラブとして、感染拡大状況の厳しさは認識している」。シーズン中止による損害額は「1000万円単位」という中で、さらなる逆風も吹く。23区内に新アリーナを建設する計画が11月末までに白紙撤回されたことで、リーグ基準を満たすホームアリーナ確保が困難となり、この日、B2ライセンス剥奪が決まった。

リーグからの分配金は停止され、来季B3に降格するが、向井社長はチーム存続の不安は「まったくない」ときっぱり。「クラブとして(上下動の)波はあるが、前を向いてやっていく」と苦境を乗り越える決意を述べ、B2復帰への意欲を口にした。【奥岡幹浩】