4月7日、2020年のF1世界選手権第9戦として6月12~14日に開催を予定していたカナダGPが開催延期を発表した。

COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大を受け、2020年シーズン序盤8戦がすでに延期もしくは中止を決めており、カナダGPが開幕戦となる見込みだったが、カナダの保健当局からの勧告に従い延期を余儀なくされたという。

カナダGPのフランソワ・デュモンティエCEOは「今は全精力をCOVID-19に打ち勝つために注ぐべき。安全に開催ができる状況になり次第、なるべく早く皆さんをお迎えできるようにしたい」と語り、F1のチェイス・キャリーCEOも「ファンやF1関係者の安全を最優先に考えたこの決断を支持する。少し遅くはなるが、カナダを訪れた際には素晴らしいショーをお届けしたい」と理解を示した。

一方、これを受けてFIAは同日、4月末までに全チームと全パワーユニットマニュファクチャラーに課していた21日間のファクトリーシャットダウンを35日間に2週間延長することを決定し、全チームおよび世界モータースポーツ評議会もこれを承認した。ヨーロッパ外のレースであるカナダGPの延期により、船便機材の発送業務が不要になったため。

すでにマクラーレン、レーシングポイント、ウイリアムズなど一部のチームでは、チームの存続を優先するため再雇用を前提に従業員を一時解雇するレイオフを実施。イギリスでは政府の補償制度によりその間も従業員の給与の80%が補償されている。(米家峰起通信員)