今夏、東北から九州の21府県で分散開催される予定だった全国高校総合体育大会(インターハイ)の史上初となる中止が決まった。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、主催する全国高等学校体育連盟(全国高体連)が26日午後2時からウェブ会議方式の臨時理事会を開いて協議。全理事の総意で中止が議決された。これを発表した後、同6時43分ごろから岡田正治会長がオンラインで会見した。

冒頭、岡田会長が議決した第1号議案「本年8月に全国21府県で30競技の実施を計画していた、令和2年度(2020年)全国高等学校総合体育大会の全競技および総合開会式を中止とする」を発表。第2号議案として全国高等学校定時制通信制大会(7~9月、5府県)の全競技の中止も決めた。

続けて、全国120万人の高校生へ向けて「高校スポーツ最大の祭典、夢の舞台を中止とした判断の向こうには、大きな悲しみがあることは痛いほど承知しております。ただ、皆さんの夢を奪うものではなく安全・安心や命を守るためでした。インターハイをはじめとする部活動、運動の目的は、心身の健全な育成にある。この状況下で開催することは、その目的から大きく外れることになる。臨時休校中でも自宅でトレーニングに励んでいた高校生。今年は舞台を用意することはできませんでしたが、皆さんの人生は今年で終わりではありません。ぜひ、スポーツに生涯、関わっていってください。自分を、他人を守る対策を取っていただくよう、お願いいたします」と呼び掛けた。

当初は、延期前の東京オリンピック(五輪)閉幕翌日となる今年8月10日から24日までの日程で開催されるはずだったが、新型コロナの終息が見えず、全国に緊急事態宣言が拡大した中で中止論が強まっていた。

1963年に新潟県で第1回大会が開かれて以降、初の中止。30競技で約3万8000人の選手や指導者が参加予定だったが、高校3年生にとっては集大成の日本一を目指す最後の舞台が新型コロナによって奪われた。