全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止を受け、柔道男子団体で2連覇を狙った東京・国士舘の岩渕公一監督(64)は26日、危機感を募らせた。昨年は全国選手権、金鷲旗、高校総体の3冠を達成。新型コロナウイルス感染拡大の理解を示した上で、岩渕氏は「選手たちの力を発揮する場が消え、本当にかわいそう。目標を失って競技へのモチベーションが下がらないか不安」と、精神面の影響を懸念した。

同校では3月中旬から練習を休止。寮生も帰省させて、各自で自主トレーニングに励む。緊急事態宣言が5月7日以降も延長される可能性があり、練習再開の見通しは立っていない。「選手たちに『腐るな』とは言うけど、実際そうは言っても大変。特に3年生は大学などの進路にも関わってくるし、今後の人生に大きく影響する。どこかで希望を与えたい」。

その打開策として、新型コロナウイルス感染の早期収束を前提とした上で、秋以降の「競技別代替大会」の開催を提案した。「柔道だけでなく他競技も同じ。コロナ問題は誰も悪くない」と無念さを口にし、「日程や予算、会場などの問題もあるが、代替大会を実現させるためにも早期収束しかない。今はぐっと我慢するしかない」と話した。