元バレーボール選手で現在は大阪市内でスペイン料理店などを営む米村信子さん(36)が、医療従事者に弁当を無償提供する「デリバレープロジェクト」を始める。

新型コロナウイルス感染拡大を食い止めるため最前線で奮闘する人たちに、感謝の思いを込めて料理を届ける狙い。材料費などの資金を得るため、現役選手らの私物を提供してもらい、2日からチャリティーオークションを開く。

チャリティーオークションは「ヤフオク!」で行われ、2日午前0時から、6日午前0時まで。目標金額の100万円を目指す。

米村さんの呼び掛けに応じ、元女子代表の大山加奈さんや元男子代表の加藤陽一さんらが企画に賛同。サイン入りTシャツやボールなど現役選手、OB、OGから幅広く出品される。売上金を材料費などに充て、知り合いの医師と相談しながら配達する医療機関を検討する。

米村さんは、大阪国際滝井高卒業後、Vリーグのシーガルズ(現・岡山シーガルズ)へ加入。アタッカーなどで9年間プレーした。

現役引退後は好きだった料理の世界へ飛び込んだ。オーナー兼シェフとして2012年に大阪市内でスペイン料理店を開業。従業員の力も借り、多くの訪日客が利用するゲストハウス2軒も経営している。

新型コロナで自身の経営環境にも大きな影響が出ている中、米村さんは感染拡大を食い止めるために戦う医療従事者らに何かできないか考えるようになった。「人命のために必死となって戦う人たちに、感謝の思いを伝えたい」と弁当の無償提供を4月上旬に発案。

ファンが楽しみながら協力できるように、バレーボール関係者の私物を提供してもらい、チャリティーオークションを開くことに決めた。

米村さんは「非常時になるとスポーツは二の次になるが、こんな時だからこそスポーツ界から元気と勇気を与えられる企画をしたかった」と開催の経緯を説明する。バレーボール界だけでなく、今後は他競技のアスリートにも協力を仰ぐつもりだ。奮闘する医療従事者たちをサポートする、新たな取り組みになるよう願っている。【平山連】