現役引退会見に臨んだプロバスケットボールB1北海道の折茂武彦(49)の一問一答は以下の通り。

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-これまでのバスケ人生の中で、忘れられない言葉は

折茂 北海道に来てくれてありがとうという言葉が一番心に響いた。いま振り返ると、その言葉があったからここまで頑張って続けて来れたし、レバンガ北海道というクラブを立ち上げるきっかけにもなった。

-引退試合について

折茂 いつできるのか難しい情勢だが、今季はこういう形でシーズンが終わり、ブースターにお別れをする時間がなかった。目の前でお礼の言葉を伝えたかったが、いつか、そういうのを見せられれば。

-以前に、引退するまで明かさないと話していた背番号9の理由について

折茂 いや、教えないです。当初は最後にそれを言おうかなと思っていたが、やっぱり言わないほうが面白いかなと。七不思議みたいになって、いつまでも秘密のままで、噂ばかり立っているほうが、僕のことが忘れられないためにもいいのかなと。だから内緒。

-長く現役を続けられた秘訣は

折茂 ひとつは能力がなかったから。才能もなく、どうやったらこの世界で生きていけるかを人一倍考えられた。また、大きなけがを1度しかしなかったことも大きい。親には感謝している。あとはみんなが必要としてくれたから。そこは何よりも大きい。北海道に37歳で来て、周りの選手は引退している中でも、たくさんの人に応援してもらえた。

-今後はフロント業務に専念していくうえで、コロナ禍におけるクラブの現状をどうとらえるか

折茂 我々だけでなく、日本全国で厳しい状況が続いている。たくさんの方に支えていただいて黒字になったのが、コロナで崩れてしまった。僕の仕事はこのクラブを再びしっかりと建て直すこと。打たなきゃいけない手は打たなきゃいけない。舵取りは難しいが、皆さんがまた笑顔で会場に来てもらうために、まずはクラブをしっかり建て直す。

-今後の自分の役割について

折茂 現役の最後があっさり終わったので実感が持てず、心の整理ができていない部分はある。ただ、子どもたちの育成強化も含めて、Bリーグやバスケット協会などに携わっていくことも自分の役割の1つではとも感じている。まずはレバンガのことをしっかりやりつつ道内中心に活動し、その後、日本のバスケット界に何か貢献できれば。いまのところ指導者になることは考えていない。

-東京五輪で選手たちに期待すること

折茂 日本全国の人たちにアピールできる五輪であってほしい。自分たちがどれだけ世界と戦えるのか知るいいきっかけににもなる。いろんな経験をしてもらいたい。