女子バスケットボールの古豪に、名将が戻ってきた。Wリーグのシャンソン化粧品を04-05季から2連覇に導いた李玉慈(イ・オクチャ)氏(67)が、14年ぶりに監督復帰した。日刊スポーツの電話インタビューに応じ、日本リーグ時代を含めて16度優勝の常勝軍団復活へ意欲を示した。

2連覇した当時は、日本代表レベルの選手が多く、「私と選手が1つになれた。結束力あるチームだった」と振り返った。良い服を作ることを例に挙げ、「布が良くないと、いいものはできない」。退団した日本代表経験者の本川紗奈生(さなえ、28)と谷村里佳(26)の穴は、簡単に埋まらないが、「残っている選手らの可能性を引き出し、良い素材にしたい」。まずは体力づくりと基礎技術を徹底させるという。

19-20季の試合をビデオで見て、2つのことが見えたと明かした。「外からの(3点)シュート決定率が低かった。もう1つは、守備の粘りが足りなかった。流れを変えられる場面でも、それができていなかった」。若い選手が多く、経験不足を補うつもりだ。

9月開幕のシーズンでは、小池遥主将(24)のシュートフォームを修正し、決定率を上げる。野口さくら(19)の守備力を高めるなど、具体的な青写真はできている。目標はリーグ4強。昨季12チーム中6位からの立て直しを目指す。

チームから再び呼ばれたことに感謝し、「実績で応えたい」。自身が指揮した05-06季以来の優勝に向けて、周囲の期待は高まる一方だ。【倉橋徹也】

◆李玉慈(イ・オクチャ)1952年8月3日、韓国生まれ。現役時代はポイントガードとして韓国代表でプレー。78年から2季、シャンソン化粧品所属。80年に現役引退。88年ソウル五輪で韓国代表コーチ。89年にシャンソン化粧品でもコーチ。韓国の実業団や高校、大学などで指導者の経験を積んだ。Wリーグでは01-03年富士通、04-06年シャンソン化粧品、14-16年アイシンAW安城で監督を務めた。趣味はドライブと読書。身長165センチ。家族は夫。血液型O。