アーチェリー女子で昨年全道総体覇者の中川彩名(旭川北3年)は高校生活の集大成として弓を引く。1日、休止していた同部の活動が再開。約1カ月半ぶりの練習は目標だった全国大会出場のためではなく、10日の部内での引退試合で的を射抜くため。「今は競技に熱中というより、区切りをつけるために練習していく」。複雑な思いを抱いたリスタートだ。

出場予定だった3月選抜に続いて、4月末には総体の中止が決定。「自分のベストを尽くして(各大会で)優勝やメダルを取りたかったし、記録を更新したいと思っていた。やり切れない」。2月末からの活動自粛期間も筋トレなど地道に練習したが、成果を発揮する舞台は訪れなかった。

9月末には有志による代替大会が長野で予定されるが「8月中であれば考えた」と中川。18歳の胸中には部活をやり切りたい思いもあったが、受験勉強のために断念した。9人の3年生部員の希望者が参加する引退試合。中川は「今年まだ打てていない(試合形式の)70メートルを打って区切りにしたい」と最後の照準を定めた。【浅水友輝】