新型コロナウイルス感染拡大の影響で史上初の中止となった全国高校総合体育大会(インターハイ)の代替救済策として、フェンシングの全国オープン大会「HighSchoolJapanCup2020」の開催が計画されていることが3日、実行委員会から発表された。プロジェクトが成立すれば、インターハイ実施競技では初となる全国大会の代替開催が実現する。

趣旨に賛同したオリンピック(五輪)経験者の主なコメント

【小澤嗣央】(フェンシング 60年ローマ)

「若いフェンサーの皆さん。私は現在85歳の老フェンサーですが、あなた方と同じように若く夢多い時代がありました。25歳の時、五輪に参加したことで私の『人生観』は大きく変わり、以後、長いビジネスの社会を乗り切って今に至っています。皆さん、ぜひ日本代表として五輪に参加してください。五輪で世界の強豪と戦うことを『夢』見て精進を続けてください。あなたの努力は必ず報われる日がきます」

【徳南堅太】(フェンシング 16年リオデジャネイロ)

「『全国制覇』。私の出身校のチーム目標でした。高校で出合ったフェンシングですが、結局その目標には届きませんでした。今も現役を続けていられるのは高校の時の『悔しさ』があったからです。私が体験した『悔しさ』と、大会自体が消滅してしまった現在の高校生たちの『悔しさ』は全くの別物で比べることができませんが、青春を部活動にささげてきた1人として、何かしてあげたい気持ちでいっぱいです。青春を全力でぶつけられるような意味のある大会を開催し、高校生たちを招待してあげたいです」

【末続慎吾】(陸上 00年シドニー、04年アテネ、08年北京=銀メダル)

「インターハイは高校生にとって夢であり、私たちオリンピアンにとっては、その後の夢へのステップでした。その意味でも、インターハイは生涯記憶に残るものです。その中止が、今後の人生にどう影響するか僕らでは計り知れません。だからこそ、高校生のかけがえのない時間に、しかるべき場所や思い出をつくってあげることは、これまでにない未来をつくることと同じではないでしょうか。一生の思い出になるような高校生への『メモリーハイ』を実現できることを心から祈っています」

【池谷幸雄】(体操 88年ソウル=銅メダル、92年バルセロナ=銀メダル)

「私にとってインターハイは、器械体操競技人生の中でも、とても思い出深い大会です。2、3年で個人総合優勝し、多くの人の注目を浴びるきっかけになりました。この競技で生きていく上での大きな土台にもなり、今の自分が存在します。今回その大会の中止が決まり、特に高校3年生にとっては本当に残念なことだと思っています。他競技ではありますが、多くのオリンピアンの気持ちで、皆さんのこれまでの頑張りが披露できる場を提供できれば、賛同者の1人として、とてもうれしく思います」