青森でeスポーツ熱が高まってきている。昨年4月に県協会設立。同10月には茨城国体の文化プログラムで全国都道府県対抗eスポーツ選手権が初開催され、人気サッカーゲーム「ウイニングイレブン(ウイイレ)少年の部」で青森明の星サッカー部の5人が全国制覇した。また、あおもりコンピュータ・カレッジは「esportsクリエイト専攻」を本年度新設するなど環境整備が着々進む。

同校は2年制の職業訓練校で、ウイイレ優勝メンバーも今春入学。大会運営や各団体をまとめる県協会と二人三脚で普及、育成に努める。1年時はITの基礎知識習得に注力。2年時の9月から選択可能なesportsクリエイトは、卒業研究につながる7専攻のうちの1つで、eスポーツ用ソフトウエア開発、3次元コンピューターグラフィックス(3DCG)制作、大会運営ノウハウなどを学ぶ。非常勤講師には青森・野辺地町出身のプロゲーマーともやんを招く。

県協会会長も兼任する千葉哲泰校長(69)は「メーカーに就職しない限りは商品化は難しいが、対戦ゲーム制作を経験させたいし、将来的には卒業生が青森でゲーム会社を作ってほしい」。25年には青森国体が予定される。「青森からeスポーツの輪を広げるのが夢。世界の大きな大会は観客も楽しみながら見ているし、『何だ青森は』と言われないように盛大にやりたい」。野球、サッカー、相撲、レスリング…。名選手が育った雪国でeスポーツ界のカリスマ誕生も遠くない。【山田愛斗】