「柔道界の画伯」が、全日本男子強化スタッフの似顔絵イラストを完成させた。柔道元日本代表でモルドバ代表コーチを務める石川裕紀氏(31)が8日までに、男子代表の井上康生監督(42)やコーチ陣4人のイラストを描き上げた。特徴をつかんだ柔らかいタッチで、さらに反響を呼びそうだ。

きっかけは3月中旬。石川氏が手掛ける人気ラインスタンプ「柔道部員ねこたろ」などを知る、東海大の後輩で16年リオデジャネイロ五輪男子60キロ級銅メダルの高藤直寿(27)から「SNSのアイコンを描いてほしい」との要望があった。新型コロナウイルスの影響で自粛生活となり、時間に余裕もできたため承諾した。

スマートフォンを使用して約1時間で描き上げた。高藤がその画像をツイッターに投稿すると賛辞の声が相次いだ。ネット上で注目を集め、男子66キロ級で五輪2大会連続銅メダルの海老沼匡(30=ともにパーク24)ら国内の強化選手らから依頼が殺到し、無料作成した。

今月上旬には、男子重量級担当の鈴木桂治コーチ(40)からも依頼があり、誕生日プレゼントとして贈呈した。井上監督やその他のコーチ陣も描き上げ、“井上ジャパン”を完成させた。

石川氏は「新型コロナウイルスの影響で、いまだ外出自粛の日々が続きますが、似顔絵イラストが少しでも心の癒やしになったり、柔道に興味を持つきっかけになればうれしいです」と願いを込めた。

 

◆石川裕紀(いしかわ・ひろのり)1988年(昭63)7月26日、茨城県生まれ。5歳で柔道を始める。栃木・白鴎大足利高-東海大-了徳寺大職。60キロ級で11~14年全日本実業個人選手権優勝。12年グランドスラム・東京大会準優勝。今年1月にモルドバ代表コーチに就任。左組み。得意技は一本背負い投げ。趣味は絵を描くこと。家族構成は妻。168センチ。血液型B。