全国クラスの強さを誇る静岡・飛龍高のレスリング部は部活動を本格化させ、予定されている大会へ向け準備を進めている。

レスリング部は、新型コロナウイルスの影響で約2カ月間休止していた部活動を今月1日から再開した。今春、1年生4人が入部。部員は12人になった。日本レスリング協会からのガイドラインに沿い、同一空間に7人以上が集まらないよう、2グループに分かれて練習。身体接触のあるメニューも禁じられており、筋力トレーニングや、相手を想定したスパーリングなどで汗を流している。

ウイルス拡大により、先月の県総体が中止。県協会は、7月末に代替大会を予定している。主将の有馬鉄太(3年)は「中止になる覚悟はしていた。活動休止中も体を作ってきたので、代わりの大会へ向けて切り替えたい」と顔を上げた。

4年ぶりの出場を決めていた3月の全国選抜(新潟市)に加え、7月の全国グレコローマン選手権(和歌山市)も中止となった。井村陽三監督(56)は「全国の表彰台に立てるチーム。勝負させてあげたかった」と無念の思いを口にした。

主要大会が相次いで中止となり、3年生の進路決定への影響が予想された。しかし、井村監督が中心となり、過去の全国大会での実績などを大学関係者へアピール。3年生5人の進学先は既にめどが立っている。有馬と豊田峻真は拓大、小川潤大は中大、中村啓人は国士舘大、高橋凜太郎は神奈川大。全員が強豪大学へ、スポーツ推薦での受験が決まっている。副将の豊田は「拓殖大への進学をずっと目標にしてきた。ありがたいです」と話した。

現時点で、今秋の鹿児島国体開催の可能性は残っている。全国舞台に立てることを信じ、トレーニングを続けていく。【古地真隆】