近年注目度を高めているeスポーツ。競技人口は世界中で1億人を超えた。昨年4月、仙台デザイン&テクノロジー専門学校(仙台市若林区)にeスポーツを学べる専攻が誕生。中でも、プロゲーマー専攻(3年制)ではプロ選手育成を中心に、eスポーツビジネスで戦う人材を育成する。同校教務部長の渡辺康祐さん(43)が、ゲームの世界で収入を得る「プロ」輩出への意気込みを語った。

プロゲーマーは一種のアスリート選手そのものだ。試合中のプレーを支えるのは、まさしく心技体。そのため、ゲームの腕前を磨くのはもちろん、フィジカルとメンタルの心身両面でトレーニングを怠ってはならない。渡辺さんは「フィジカルに関しては体幹を鍛えたり、目の動きを養うためのビジョントレーニングを行っています。メンタル面では、試合中に窮地な場面になった時、安定性を保てるようなトレーニングが必要。日本代表強化選手のトレーナーの方に指導してもらっています」と最先端の設備だけでなく、経験豊富な指導者も学生を後押ししている。

現実はシビアな世界だ。多くの選手がスポンサー契約を結びプロとなるが、選手寿命は平均30歳手前と短命だ。そのため、引退後のセカンドキャリアを支えていく必要がある。渡辺さんは「ゲームが強くなるためだけに、3年間通うのではない。ゲームしかしてこなかった人は引退してからどうするの? 最終的にコミュニケーション能力、判断力など人間力が求められる。Eスポーツというジャンルを通して、仕事ができるビジネスマンに成長して欲しい」と、学生たちに大きな期待を寄せている。【佐藤究】