バレーボール男子日本代表のエース石川祐希(24)が11日、イタリアプロ1部リーグ(セリエA)のミラノに加入する思いを語った。

中大在学中からイタリアでプレーする石川は、オンライン会見で「(ミラノ加入は)ステップアップになる。目標である世界のトッププレーヤーになるため、最高のパフォーマンスを見せたい」と強い決意を誓った。

日本のエースが、プロ3季目を戦うチームにミラノを選んだ。ミラノは14-15年シーズンに1部昇格後、上位進出を狙うクラブの1つだ。新型コロナウイルスの影響でリーグが打ちきりとなった昨季は、12勝7敗と13チーム中5位だった。

ミラノのロベルト監督(ヘッドコーチ)は石川について「チームプレーヤー(個人のプレーを貫くのではなく、チームが勝利するために役割を果たせる選手)として評価しており、私たちの来シーズンのチームにとって、そういったタイプの選手が必要であると考えている」と所属クラブを通じてコメントした。

昨季7位だったパドバからステップアップを考えていた石川は、イタリア国内の上位クラブへの移籍を模索していた。ミラノの印象について「年々、ステップアップしているクラブからオファーをいただけてうれしい」。過去に在籍したチームで一緒にプレーした選手と再会できることが楽しみだとも明かした。

昨季リーグが打ち切られた時点で石川は、全19試合、71セットに出場した。ポイントゲッターとして活躍し、242得点(スパイク198点、サーブ29点、ブロック15点)を記録した。石川は「サーブレシーブがよくなっている。良いパフォーマンスができていたので、シーズンが打ちきりになったことは残念」と話した。

新型コロナの影響で、イタリア国内でプレーを続けることに不安もあった。それでも石川は、プロ3季目をミラノで戦うと決めた。1年延期となった東京オリンピック(五輪)、その先にある世界のトッププレーヤーになるとの目標に近づくため、さらにレベルアップした姿を見せようと意気込んでいる。【平山連】