柴田学園(青森)女子ソフトボール部は、全国高校総体出場を目標に掲げていたが、新型コロナウイルスに挑戦権を奪われた。それでも、3年生全員は最後まで部活動をやり切ると、気持ちを新たにした。

今年のチームには手応えがあった。昨秋は41年ぶりに県新人大会で優勝。全国選抜(愛媛)出場も決まっており、1月は栃木、2月は茨城で実戦経験を積んだ。練習試合でも全国常連校と互角に渡り合った。藤田憲嗣監督(30)は「(高校総体)やりたかったですよね。勝負の懸かった試合での選手のプレーを見たかった」と残念がった。

4月28日の県総体中止を受けて、深堀舞桜主将(3年)を中心に3年生だけで今後の方向性について話し合った。同監督は「選手たちに考えさせた。1、2時間かかるかなと思ってましたが、即決でした」。3年生が導き出した答えは「引退はしません。高校総体があるものだと思って、真剣に取り組みます」。藤田監督は「全員が意思表示してくれたのがうれしかった。3年生の成長を感じられた」と喜んだ。

地区で行われる代替大会が、今週末の20、21日に予定されている。3年生は最後の晴れ舞台に備え練習に励んでいる。エース右腕・金子歩(3年)は「最後の地区大会に向けて、気持ちを切らさずに練習している。無失点に近い投球をしたい」と意気込んだ。1番打者の下山恵里奈外野手(3年)は「バックスクリーンにライナー性の1発を放り込みたい」とイメージを膨らませた。【佐藤究】