静岡・池新田高剣道部に活気が戻ってきた。新型コロナウイルスの影響で休止していた部活動が、今月1日から再開。10日には全日本剣道連盟が発表したガイドラインに基づき、対人稽古も始まった。道場には、選手たちの気合の入ったかけ声や竹刀の音が響いている。

稽古中は発声による飛沫(ひまつ)を防ぐため、面の内側に「マウスガード」と「アイガード」を装着するなど工夫。飲料水のボトルも個人専用とし、感染予防策を徹底する。現在も制限はあるが、休校期間中は相手を想像した「1人稽古」がメインだった。それだけに、赤堀太祐主将(3年)は「あらためて剣道が楽しいと感じている」と、笑顔を見せた。

男子団体で2年ぶりの出場を決めていた全国選抜に続き、全国総体と県総体の中止も決まった。赤堀は「何をしていいのかもわからない状況だった…」。女子主将の山田凜(3年)も「集大成を披露する場がなくなり、悔しい気持ちだった」と、振り返る。

一時は目標を失ったが、救済案が浮上している。コロナウイルスの感染状況を踏まえた上で、全国選抜に出場予定だった強豪校を集めた大会が12月25日から沖縄で開催される予定だ。赤堀は「『日本一』を目標にやってきた。開催されたら、コロナに振り回された悔しい思いをぶつけたい」と話す。県総体の代替大会も開催が検討されており、山田も「良い結果を出して家族や菊池(竜平)監督に恩返しをしたい。開催を信じて準備をしていきたい」と、言葉に力を込めた。【前田和哉】