秋田北の女子ソフトボール部は、全国上位に挑む決意を後輩たちに託した。

主将の塚本佳穏(かのん)投手兼内野手(3年)はナイター照明の中、バント練習をする1年生の打撃投手を務め、時には駆け寄って指導。「ソフトボールは大好きですが、高校を最後にやりきりたいと思っている。先輩の夢を受け継いで私たちも頑張ってきた。インターハイもなくなった時は現実が分からなくなって涙が出るくらい悔しかったけれど、後輩にも私たち以上にうまくなってほしい」。三塁手としてのノック中もグラブの出し方やボールへの入り方を丁寧に助言。ハツラツとしたプレー同様に、笑顔は輝いていた。

出場予定だった全国選抜(3月、愛媛)に続き、昨年は県総体でノースアジア大明桜にタイブレークの末に敗れて出場出来ず、リベンジを誓っていた全国総体(8月、広島)も中止。磨いてきた挟殺プレーや、プッシュバントなども披露出来ないまま終わった。

3年生の中には受験勉強に備えるため、すでに引退を決意した部員もいる。「試合で課題が出て、次の試合までにミスしたことを改善するにはどうしたら良いか。自分は優柔不断で抱え込むタイプだったのですが、仲間も意見を出してくれて、とても頼れる存在でした」。練習メニューなども選手で考え、高め合いながらレベルアップ出来た財産は大きな宝物となった。

県の代替大会(7月23日開幕、由利本荘市ソフトボール場)開催も決まった。「1年生の時から試合で中心を任せていただいた。最後まで私が一番声を出して勢いづけるプレーをしないといけない」。最後の舞台で、大好きな仲間との時間を完全燃焼させる。【鎌田直秀】