新型コロナウイルスの検査で陽性反応が出たことを23日に公表した男子テニス世界1位のノバク・ジョコビッチ(33=セルビア)が、自身が主催した「アドリア・ツアー」の数日前に密集するナイトクラブで半裸でパーティーに興じていたことが明らかになった。

ジョコビッチは今月13日と14日にセルビア・ベオグラード、20日と21日にクロアチア・ザダルでアドリア・ツアーを開催していたが、ベオグラードで行われた試合の数日前に地元のクラブでアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)、ドミニク・ティエム(オーストリア)ら選手仲間たちとともにパーティーを楽しむ様子を撮影した動画がSNSで拡散されていることが分かった。

多くの人で混み合うクラブ内でマスクを着用している人は皆無。ステージの上ではジョコビッチら選手たちが互いに距離を取らずに隣同士に並んで激しく踊り、終盤にはTシャツを脱いで上半身裸になってバケツを頭にかぶったり、床をはったり、音楽に合わせて飛びはねる様子なども確認できる。動画の最後はピアノの横に座ってジョコビッチが歌う様子が映っており、パーティーは非常に夜遅くまで続いたとのコメントも画面に表示されている。

大会中も選手同士が握手をしたり、抱き合うなどソーシャルディスタンスを無視した行為が見られ、ジョコビッチとエレナ夫人の他、グリゴル・ディミトロフ(ブルガリア)やボルナ・チョリッチ(クロアチア)ら複数の選手の感染が判明。大会は途中で打ち切りとなり、パンデミック下での一連の行動に対して批判の声が上がっていた。

「残念ながらウイルスはまだ存在しており、私たちは(ウイルスに)対処して共存することを学んでいる新しい現実にいるのです」とジョコビッチはコメントし、ファンや関係者らに謝罪している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)