昨年の全国高校総体(インターハイ)柔道団体戦に男女アベック出場した開志国際(新潟)に男女2人のモンゴル人留学生がいる。ともに重量級で2月に来日した。男子のエンフ・ボルト(2年)は200センチ、135キロで、女子のエンフ・ズル(2年)も177センチ、115キロと2人とも恵まれた全身の持ち主。ともに白帯だが夢は大きく、未来の世界チャンピオンだ。

開志国際の柔道部に通常の雰囲気が帰ってきた。ボルトとズルの表情にも明るさが戻る。練習は全日本柔道連盟が指示する第3段階に移行。2時間以内で対戦も5人以内ならOKになった。来日直後の2月28日から同校は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて約1カ月休校したが、練習は本格的になり「目標は世界チャンピオン」と2人は同じ目標を口にした。

モンゴルの知人から日本留学希望者の情報を得た大倉太監督(52)は昨年10月に現地に飛んだ。個人面談なども行い、有望選手をスカウトした。ボルトは柔道の素人ながら足のサイズ34センチ。安定した下半身が強みでどんなトレーニングも嫌がらない前向き姿勢が長所。「練習はきつくない。早く黒帯になりたい」とボルト。ズルは当面、下半身の強化に努める。

本年度はモンゴル人留学生があと2人増える。ボルトとズルは2月に来日したが、新1年生として留学予定の2人は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて来日できない状況だ。今年の入学生柔道部員は19人(うち男子14人)で大倉監督は「1、2年生の代は団体(外国籍選手は1人)で全国上位を狙える」と言う。「柔道をするために日本に来た」というボルトとズルも、その構想の中に入っていた。【涌井幹雄】

◆エンフ・ボルト 2003年2月3日生まれ、モンゴル・ヘンティー県出身。高2だが、年齢は高3の年代。肉好きで日本の米がお気に入り。日本の大学に進学を希望する。200センチ、135キロ。

◆エンフ・ズル 2003年2月10日生まれ、モンゴル・アルハンガイ県出身。高2だが高3の年代。日本のお気に入りはフルーツで、好物はレモン、リンゴ、サクランボ。177センチ、115キロ。