自動車F1シリーズで製造者部門6連覇中のメルセデスは6月29日、人種差別に抗議するため、従来銀を基調にしてきた車体をオーストリア・グランプリ(5日決勝)で開幕する今季は黒にすると発表した。カリブ系のドライバー、ルイス・ハミルトン(英国)は世界的な抗議活動の高まりに「この機会をつかむのがとても大事」と声明で訴えた。

米国で起きた白人警官による黒人男性暴行死事件を巡る抗議は「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事だ)」の標語とともに各地に波及した。またメルセデスの従業員のうちマイノリティーの民族に分類される者が3%、女性は12%にとどまることを反省。チームの多様化を進め、人種によるものを含むあらゆる差別と決別することを広く宣言するためにカラー変更を決めた。

6度の総合優勝を誇るハミルトンは事件を受けて積極的に差別に抗議する声を上げてきた。「個人的にも人生で人種差別を経験してきた」と明かす。「競技を超えたレガシー(遺産)を築きたい。われわれがリーダーとして、より多様化を進めることができれば強いメッセージになる」と取り組みの意義を強調した。(共同)