全国高等学校体育連盟(全国高体連)空手道専門部は10日、全国の3年生を対象に開催した「形インターネットGP(グランプリ)」で、男子は熊谷拓也(東京・世田谷学園)、女子は堀場早耶(静岡・御殿場西)が優勝したと発表した。2人はこの日、文科省で演武を披露し、大臣杯を授与された。男子の熊谷は「このような時世でも、自分のことを支えてくださった方々に感謝」と述べ、女子の堀場は「インターハイがなくなったときはショックだったが、最後に力を発揮できる場を与えていただいた」と喜んだ。

新型コロナウイルスの影響で中止になった夏の全国高校総体の代替として、オンラインで行われた今大会には、男子212人、女子166人が参加。選手は撮影した演武の動画を提出し、審判員が各地でリモート採点した。6月の第1、2ラウンドを経て、今月3日に第3及び最終第4ラウンドの映像が締め切られ、8日に男女ベスト8が公表されていた。

学校での練習がほとんどできず、現在も自宅で個人練習を続けているという熊谷。今大会用の映像は近所の児童館を借り、親と一緒に三脚を立てて収録した。「本来の力を出して勝負できた。自分が優勝していることをイメージして、ポジティブな気持ちでやってきた」とうなずいた。全国大会での優勝は大きな自信となった模様。現時点で空手は24年パリ大会採用種目から外れてはいるものの、「大学でも空手を続け、将来はオリンピックに出ます」と力強かった。

納得いくまで演武をやり直せることも今大会の特徴のひとつ。堀場は「形によっては7回ぐらい撮り直した。緊張感は普段の試合と同じようにあった」と振り返った。全空連のジュニアナショナルチームにも選出されている有望株は、「3年間の集大成。結果を出せて、これまで支えてくださった方々に恩返しできたと思う」と笑顔を見せた。

大会の模様は12日13時からユーチューブのJFKチャンネルで配信予定。東京オリンピック(五輪)出場が決まっている喜友名諒と清水希容の両選手がスペシャルゲストとして出演する。【奥岡幹浩】