卓球で16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)男子団体銀メダルの水谷隼(31=木下グループ)が13日、現役高校生にエールを送った。オンライン上で行われた「明日へのエールPROJECT」で全国の高校生に対し、自身の青森山田高時代の挫折経験などを明かした。

「人のために頑張ると、限界値が伸びるよ」-

そんな水谷のエールを受け取った1校が、大阪・豊中高能勢分校の卓球部だ。大阪府最北端の豊能郡能勢町にあり、部員は現在3人。新型コロナウイルスの影響で、春は約3カ月間練習ができず、地域の大会は軒並み中止となった。山本翔斗主将(3年)は「コロナの影響で練習ができず、しんどかったけれど、その思いは自分だけではなかったと理解し、勇気づけられました」と笑顔を見せた。

今春まで部員は3年生2人。三宅晋平副将(3年)は「全国の卓球部員の皆さんと意見を交換しながら、水谷さんの貴重な話を聞けました。自分が向き合っている課題を解決するための貴重な機会でした」と声を弾ませた。卓球未経験ながら指導する顧問の植木美里さん(29)は「子どもたちの表情が晴れやかになりました。高校生の質問に対して答えていただき、生徒も親近感があったようです」と水谷や運営側に感謝した。

現在は24日に開幕する「大阪64ブロック優勝大会」に向け、6月に入部した沖沢慎之介さん(1年)を交えて練習を積んでいる。沖沢さんは「水谷選手の生の声で励ましを受けて、元気づけられました」。3人の部員と1人の顧問は、互いの存在に感謝しながら、前へ進んでいく。【松本航】