約4カ月半ぶりの実戦を迎えた背番号8が、コートで早くも存在感を示した。

NBAのウィザーズに所属する八村塁(22)が、この日から始まった練習試合に先発し、約26分間の出場で、18得点、9リバウンド。いずれもチーム最多をマークした。無観客での試合に「少し雰囲気が違ったが、久しぶりにコートに戻れてうれしかった」。バスケットをできる喜びを感じながらプレーした。

両チーム最初の得点を決めたのは八村だった。試合開始16秒、リング右斜め45度の3ポイントラインに近い位置でボールを受けると、軽くフェイクを入れて相手のマークを外し、落ち着いてジャンプシュートを決めた。第1クオーター(Q)中盤の残り約5分では、リバウンド確保から流れをつくり、鮮やかなターンアラウンドシュートにも成功した。

大黒柱のビールが右肩のけがで不在のなか、八村には攻撃面の中心となることが期待されている。「コーチからは積極的に行くように言われている。僕がやらなきゃいけないと、責任を持ってやった」

後半に入っても八村は安定したプレーぶりを披露した。得意のミドルシュートに加え、中断中に改善に取り組んでいた3点シュートも成功させるなど、第3Qだけで9得点。第4Qでは無得点に終わったが、リバウンドを中心にチームに貢献した。

東地区9位のチームは最後に突き放されたとはいえ、試合終了まで3分を切ったところで同点に追い付くなど、西地区3位の強敵ナゲッツと接戦を演じた。久々の実戦としては上々の内容。逆転でのプレーオフ進出を目指すなか、「こういう時期に試合ができることに感謝しながらやっていきたい」。チームの牽引役も担うルーキーは、しっかりした口調で話した。

新型コロナウイルス拡大の影響により、NBAでは3月からシーズンが中断されていた。実戦から遠ざかっていた選手たちへの負担軽減などを目的とし、練習試合初戦となるこの試合では、通常の1クオーター12分制が10分に短縮された特別ルールが適用された。