白血病から競技復帰を目指す競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が、世界中に祈りのメッセージを発信した。延期された東京五輪開幕1年前の23日、メイン会場の国立競技場に登場。真っ暗なスタジアムに純白の服で降り立った。ひと筋の光を浴びて、3月にギリシャで採火された聖火のランタンを掲げると照明が点灯。東京の夜空を照らした。新型コロナウイルスが世界を覆う中、4分10秒のスピーチで「1年後、オリンピックやパラリンピックができる世界になっていたら、どんなにすてきだろうと思います」。引き揚げる際には感極まって大粒の涙。一心に願いを込めた。

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東京五輪の卓球男子代表の張本智和(17=木下グループ)は、五輪1年前イベントでメッセージを発信した池江の写真投稿サイト「インスタグラム」をフォローしている。池江について「白血病になり自分のことで精いっぱいだと思うのに、いろいろなメッセージを送っている。すごい」と敬意を表す。その上で「自分も、ケガも病気もなくプレーしていることが当たり前じゃないんだと思うようになった。元気をもらっています」と語った。