ウィザーズの八村塁(21)がエースとしてコートに戻ってくる。NBAは30日(日本時間31日)に新型コロナウイルスの感染拡大により3月12日から中断していたリーグ戦を再開し約4カ月半ぶりにフロリダ州オーランド近郊で公式戦を行う。ウィザーズは31日(同8月1日)にサンズと対戦する。大黒柱のビールら主力2人が離脱し、東カンファレンス9位からプレーオフ(PO)圏内の8位以内に入るには、八村の活躍が欠かせない。

八村がエースの重責を担う、残り8試合がいよいよスタートする。再開が迫った29日の練習後には「チームはいいコンディション。次(サンズ戦)に生かされると思う」。準備は整った。3月の中断後、自宅などでトレーニングを続け、今月7日に現地入り。約30時間の隔離期間を経て、9日から全体練習を開始した。

中断の間、新人ながら引っ張る立場に変わった。チーム1、2位の得点力を誇るビール、ベルタンスがけがなどで離脱。これまで総得点の約35%を稼いだ2人の不在で、平均得点3位(13・4点)の八村がエースの役割を任されることになった。「僕がやらなきゃいけない。プレーで若いチームを引っ張る」とリーダーの自覚も芽生えている。

中断期間中のトレーニングで体重が約4・5キロアップ。「当たり負けしないようになった」とその効果を口にした。直前の練習試合では全3戦でチーム最多得点を記録し、1試合平均17・3得点。ゴール下で力強さを発揮するだけではなく、攻撃の起点になるなど成長の跡をうかがわせた。

ウィザーズはすべて勝率上位との対戦となる。課題だった3点シュートも軌道を修正。「自信を持って打てるようになった」と手応えを感じている。集中開催、2週間で8試合の過密日程だが「高校時代にウインターカップで慣れているので」と不安はない。PO圏内の8位とは5・5ゲーム差。PO進出をかけた厳しい戦いに、エースとなった八村が挑む。【松熊洋介】