年末スポーツの風物詩、全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)が、コロナ禍の今年も予定通り開催される方向で調整されていることが31日、関係者への取材で分かった。

大会を特別共催するソフトバンクは先日、唾液を使ったPCR検査を行う子会社を設立。日本バスケットボール協会幹部によると、本大会に出場する高校生が、その検査を受けられる見込みが立ったことも開催へ向けての後押しとなった。30日に行われた「バスケット・アクション2020」プロジェクト発足会見で、三屋裕子会長は「インターハイの中止や部活動の制限など、バスケットボールをする機会が減っている中、バスケをする機会を届けていく」と宣言し、オンラインによるフリースロー大会実施を発表した。バーチャル空間での対戦だけでなく、実際にコート上でプレーできるとなれば、部活に打ち込んできた高校生にとって何よりの朗報となる。

第73回となる今年のウインターカップは、12月23日から29日にかけて都内で行われる予定。例年はインターハイ優勝及び準優勝校に出場権が与えられるが、インターハイ中止に伴うレギュレーション変更などを今後の理事会で話し合う。

感染拡大の影響で高校野球夏の甲子園大会など、多くの高校生アスリートにとって最後の晴れ舞台がなくなった。コロナ禍で先行きを見通せない中でも、バスケ界は高校生の夢を懸命にバックアップしていく。

◆ウインターカップ 正式名称は全国高校バスケットボール選手権大会で、全国高校総合体育大会(インターハイ)、国民体育大会(国体)と並ぶ高校バスケ界の3大タイトル。昨年は男女各60チームがトーナメントを争い、男子は河村勇輝を擁する福岡第一、女子は愛知・桜花学園が頂点に立った。これまでB1宇都宮の田臥勇太(秋田・能代工)、NBAウィザーズの八村塁(宮城・明成)など数々の名選手が活躍し、名勝負を生んできた。最多優勝は男子が能代工の20回、女子は桜花学園の22回。