日本オリンピック委員会(JOC)のアスリート委員会は31日、オンライン形式で東京五輪を目指す選手を対象とした「アスリートミーティング」を開いた。陸上の沢野大地委員長は冒頭で「少しでもアスリートが前向きになれる機会が持てれば」と開催理由を説明。19競技61人が参加した。

1時間半のミーティングでは、コロナ禍における各競技の現状について情報を共有した。また大会組織委員会から室伏広治スポーツディレクター、中村英正GDO(大会開催統括)が出席して、選手からの質問に答えた。

質疑応答では、選手から大会の簡素化について、質問があった。中村GDOが簡素化に至った経緯などを説明した。組織委の高谷正哲スポークスパーソンは「競技、アスリートに関わる部分に関して、伝統的な、基本的な部分は維持することをあらためてお伝えさせていただいた」と話した。

また選手からワクチンに関する質問も出た。高谷スポークスパーソンは「ワクチンがないと開催できないんじゃないか、とご心配しているアスリートの方もきっといらっしゃったかと思うが、コロナ対策についてこの秋に本格的な検討を進めていく。国、東京都、組織委員会で協議会を作って本格的な検討をしていくが、このあたりのスキームも含めてお伝えさせていただいた。安全安心な大会開催に向けて全力を尽くしますというメッセージを選手の方々に直接お伝えさせていただいた」と話した。

組織委の説明を受けて、沢野は「簡素化という若干あいまいなイメージだったものが、説明を受けて(疑問が)不安が拭い去られたかなというところです。直接、説明を聞けてよかった」と感想を口にした。重量挙げの三宅宏実は「アスリートのことを配慮してもらって、不安を取り払ってもらうようなことを組織委員会から説明してもらって、安心もした。皆さんの顔が見えたのでホッとしているという会だった」。新体操の皆川夏穂は「来年五輪ができるように最善のことをしてくださっているんだなと感謝の気持ちでいっぱい。それに応えられるようにもっと頑張っていきたい」と話した。