世界のテニスツアーは、8月に入り、一気に再開に向けてかじを切る。3月から中断していた男女ツアーは、3日から、イタリア・パレルモで女子ツアーが再スタート。男子は、22日のウエスタン&サザンオープン(米ニューヨーク)で新たなスタートを切る。

しかし、日本国内に滞在している選手たちは、世界への転戦に困惑が続いている。ツアー全体像がいまだに詳細が決まらず、ツアーも開催予定だった大会が中止になり、ツアー下部大会開催のめども立たない。米国在住の男子の錦織圭(30=日清食品)、女子の大坂なおみ(22=日清食品)以外は、31日からの全米以外、大会出場を明確にできない。

日本NO・2で、世界48位の西岡良仁(24)でさえ、本戦出場が決まっているのは全米だけ。前哨戦のウエスタン&サザンオープンは予選に入れるか微妙な状態だ。全米1大会だけの出場のために無理をして渡米するかどうかは「フィフティ、フィフティ」と決めかねている。

日本男子7番手で、同155位の伊藤竜馬(32)になると、米国では出場できる大会がない。9月からの欧州に目を移すと、ツアー下部大会はあるが「大会が、感染症対策にあまり金額を使えない点から出場は不安」となる。

伊藤は家庭もあるため、海外で簡単に感染し「妻や子供、両親にうつすわけにはいかない」。どの選手も、日本に帰国後の2週間自主隔離も弊害となり、「どうすればいいのか」と、頭を悩ませる一方だ。