プレーオフ進出をかけた再開初戦で、東地区9位ウィザーズの八村塁(22)は西地区10位のサンズ戦に先発した。29分47秒の出場で21得点、8リバウンド、1アシスト、1スチールを記録したが、112-125で敗れた。序盤から積極的に仕掛けたが、ファウルを重ね、気合は空回り。それでもチーム最多得点を記録した。グリズリーズの渡辺雄太(25)は出場登録を外れた。

   ◇   ◇   ◇

「楽しみ」と挑んだ4カ月半ぶりの公式戦は、好調の滑り出しから一転、思わぬ形でチームの流れを止めてしまった。

八村は第1クオーター(Q)開始2分半で6得点を奪うも、その後オフェンスとディフェンスで、立て続けにファウルを取られ、わずか3分半でベンチに下がった。「アグレッシブに行こうという気持ちでやったが、結果こうなってしまった」。突然の交代でチームは失点を重ね、リードを許した。

第2Qも味方が追い上げたところで登場したが、直後にパスカットされ、得点を許した。「(第1Qで)リズムを崩されてしまった」と気持ちを引きずり、一気に15点差まで広げられ、足を引っ張る形となった。ターンオーバーは自己ワーストの5個。チーム全体でも18を数え、課題としていたディフェンスが機能しなかった。

ビール、ベルタンスの主力2人の欠場でエースとして期待される。「チームに必要とされている。張り切って臨んだ」初戦をこのままでは終われない。ハーフタイムにベテランのスミスから「もっと強くやれ」と叱咤(しった)され、切り替えた。後半はフィールドゴールは7本中5本成功させ、積極的に攻撃参加。本来の姿を取り戻した。終わってみれば、22日の練習試合から4試合連続チーム最多の21得点で、今季8度目の20点以上を記録した。

序盤の点差が響いて敗れたが、ブルックス監督は「序盤にファウルをもらうと若い選手は萎縮するが、塁は(後半)しっかりアタックして、安定したプレーを見せた」と八村を評価した。

次戦は2日(同3日)、6差で追う東地区8位のネッツ戦。「今日は相手のほうが気持ち的にも強かった。今日の負けからしっかり学んで勝ちたい」。PO進出へ負けられない大一番へ前を向いた。【松熊洋介】

◆再開後のNBA シーズン中断時点でPO出場圏内にいた東西上位8チームに、各8位と6ゲーム差以内の6チーム(東地区は9位のウィザーズまで、西地区は13位までの5チーム)を加えた計22チームが出場。各チーム8試合を行い、東西上位7チームは無条件でPO進出。続く8位チームが9位と4ゲーム差以内の場合は、最後の1枠を争う決定試合を最大2戦実施(8位は1勝、9位は2勝で進出)。POは17日から各地区1回戦が行われ、ファイナルは10月13日までに終了する。