国際スケート連盟(ISU)が4日、フィギュアスケートの今季グランプリ(GP)シリーズを制限付きで開催すると発表したことを受け、ISUのアレクサンドル・ラケルニク副会長(ロシア)が同国タス通信の取材に応じた。

10月開幕の全6大会を予定通りの日程で行うこと、新型コロナウイルス感染拡大による渡航制限の影響等で、各大会の出場者を開催国の選手、その国に練習拠点を置く選手らに制限して変則開催すること、などを報告。その上で「今季のGPシリーズに総合順位はつかない。選手は2つではなく1つの大会に出場する」とし、2020-21年シーズンのGPシリーズは「1人1試合」になるとの見通しを明らかにした。

例年、各国の主要選手は全6戦のうち2戦に出場。12月のGPファイナル出場に向けて順位ポイントを積み上げていた。この点に関しては「ファイナルに到達するための基準は、まだ明確にはなっていない。後で決定される」と説明した。次回理事会は8月28日に設定されている。

全6大会の開催が維持された理由については「選手はどこにも移動できない一方で、数多くいる。仮に、どこかの国の大会が中止になった場合、選手が立てる舞台が少なくなる。この問題を考慮した。ロシア杯もスケーターを受け入れる準備をする」と述べた。

12月10~13日に、22年北京オリンピック(五輪)のプレ大会として中国の首都で開催される予定のGPファイナルに関しては「延期になる可能性がある。ただし、テスト大会は必要だ。予行演習をしなければ、五輪でフィギュアスケート競技を開催できない」と、時期を先送りしてでも実施を求めていく考えを示した。