世界49位の西岡良仁(24=ミキハウス)が、4時間39分の大激戦の末、復帰初戦で金星を逃した。ロンドン、リオ連続の五輪金メダルで、3度の4大大会優勝を誇るアンディ・マリー(英国)相手に、第4セットでマッチポイントを握りながら、6-4、6-4、6-7、6-7、4-6で逆転負けを喫した。大坂なおみ(22)以外の日本選手は、全員1回戦で姿を消した。

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あと1点だった。西岡は日本男子として錦織、ダニエルに次ぐ史上3人目の世界四天王(ジョコビッチ、ナダル、フェデラー、A・マリー)からの勝ち星は、惜しくも目の前から逃げた。それでも2月下旬のドバイの大会以来、約半年ぶりの実戦に「これほどできるとは思わなかった。紙一重の試合だった」と、復帰戦に手応えを感じた。

悔やむとすればチャンスが山のように転がっていたことだ。「まだ試合勘が戻っていないかも。消極的な部分があった」。ブレークポイントを握った回数はマリーの6回に対し、西岡は16回。そのうち、ものにしたのはマリーの4回に対し、西岡は1回多い5回だったが敗れた。大事なポイントでの差が明暗を分けた。

渡米を寸前まで迷っていた。「決めたのは1週間前」。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界ツアーは3月から中断し、世界ランキングの算出方式も変更。昨年と今年で重複する大会は結果が良かった方が加算される。昨年、米国で稼いだのは250点以上で「無理に行く必要はないかなと思った」と打ち明ける。

昨年、錦織を破って8強入りした全米前哨戦は欠場を決めた。全米一本に絞ってでも出場したのは「しっかり試合勘を戻して欧州に行きたかった」ためだ。それには「上々の滑り出し」。延期となった27日開幕の全仏(パリ)に向け、欧州でクレーの4大会にエントリー。欧州で爆発するために、このマリー戦の悔しさをぶつける。

 

◆WOWOW放送予定 3日午前7時50分から。同日午後11時55分から。ともにWOWOWライブ。男女シングルス2回戦ほか。生放送。WOWOWメンバーズオンデマンドでもライブ配信。