2度の4大大会優勝を誇る世界9位の大坂なおみ(22=日清食品)の勢いが止まらない。過去3戦全敗だった同93位のシェルビー・ロジャース(米国)に6-3、6-4で勝ち、18年優勝以来2年ぶりでベスト4に進出だ。準決勝では同41位のジェニファー・ブレイディ(米国)と対戦する。対戦成績は1勝1敗。

パワー対決になっても、決して動じない。フォアの打ち合いは、女子とは思えない豪快さだが、どんなに打ち合っても乱れないのが、今の大坂の強さだ。「ずっと積極的な姿勢でいられた」。大坂が、この日も進化したプレーで、2度目の全米女王に残り2勝と迫った。

凡ミスをわずか8本に抑えた。4大大会本戦で、大坂が本戦で戦ったのは58試合。その内、凡ミスを1桁に抑えたのは、今対戦で3回しかない。加えて、決定打は24本と、相手を1本上回った。これこそが、全米前哨戦で復帰してから、大坂が目指す新しいスタイルだ。「攻撃をすれば、凡ミスも出る。でも、それを気にしないこと」。その冷静さと自信が、安定したプレーにつながっている。

今大会、5試合連続でセンターコートでの試合だ。4大大会の同一大会で、日本女子が5度のセンターコートに出場したのは、自身が19年全豪で記録しただけ。ただ、全豪時は2、3回戦が他のコートで、5試合連続となると初めての快挙だ。

全米のセンターコートは、収容人員約2万人の世界最大級だ。そして、この9月8日は、この最大の舞台で、2年前の18年に日本人初の4大大会シングルス優勝を飾った記念すべき日だ。「前はまだベイビーだったかな。今は、もっと意識が高くなった」。

この勝利で、14日に発表される最新世界ランキングでも7位以上の復帰が確定だ。4大大会で、4回戦を勝ち上がれば、もう優勝しかない。庭とも言える最高の舞台で、大坂が優勝へひた走る。

◆大坂の全米センター全成績

16年3回戦 ●1-2 キーズ(米国)

17年1回戦 ○2-0 ケルバー(ドイツ)

18年準々決勝 ○2-0 ツレンコ(ウクライナ)

18年準決勝 ○2-0 キーズ(米国)

18年決勝 ○2-0 S・ウィリアムズ(米国)

19年1回戦 ○2-1 ブリンコワ(ロシア)

19年2回戦 ○2-0 ガウフ(米国)

19年4回戦 ●0-2 ベンチッチ(スイス)

20年1回戦 ○2-1 土居美咲(ミキハウス)

20年2回戦 ○2-0 ジョルジ(イタリア)

20年3回戦 ○2-1 コスチュク(ウクライナ)

20年4回戦 2-0 コンタベイト(エストニア)

20年準々決勝 ○2-0 ロジャース(米国)