関西学生アメリカンフットボールで昨季リーグ王者の立命大RB立川玄明主将(4年)が、今季行われるトーナメント(10月17日開幕)への意気込みを語った。

甲子園ボウルへの切符はトーナメントの覇者が手にできることから、1試合も落とすことができない。RB立川玄明主将(4年)は「怖いですね。ほんまに一発勝負。自分たちのやることに集中する」と気持ちを込めた。古橋由一郎監督(55)も「一発勝負になればなるほど(昨年の)下位チームは思い切ったことをやってくるでしょうし、難しいですね」と警戒した。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、これまでポジションごとに時間帯を分けるなどで調整を行ってきた。本格的にチーム練習を開始したのは9月に入ってから。約9カ月ぶりに練習でタックルを受けたという主将は「アメフトをしているっていう喜びがあった。他のスポーツの大会が中止になるなかで、やらしてもらっていることに感動しました」と充実感をにじませた。

チームの不安要素は多い。特に春の公式戦が中止になり、実戦経験が足りていないことが挙げられる。だが、新チームになってから取り入れたことがある。より選手主体でチーム作りをすることだ。これまでコーチ主導で行っていたミーティングは、選手自らが話し合い、出た結論をコーチ陣とすり合わせる。話し合いは毎日3時間。長いときには4時間にも及ぶという。QB野沢研(3年)は「コーチとのコミュニケーションが取れるようになった。だんだん自分で考えるようになってきて、応用が利くようになった」とその効果を実感する。

昨季リーグでは関学大に勝利したが、甲子園ボウル出場をかけた西日本代表校決定戦では10-21で敗れた。立川はチームの弱点として逆境に対する弱さがあったと指摘したうえで「自分の弱さを受け入れて、それにあらがえば結果は後からついてくる」と語った。15年以来の甲子園ボウルを見据え、まずは、トーナメント初戦の桃山学院大戦(王子スタジアム)に全力を注ぐ。【南谷竜則】