全米3度目の決勝挑戦で、初優勝はならなかった同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)は、敗れた。それでも「ここまで来た自分を誇りに思う」と、下を向かなかった。

全豪を2度制し、世界1位にもなった経験で、大坂に第1セットはテニスをさせず。6-1、2-0までリードして、大坂を追い込んだ。第1セットは、第1サーブが入った確率が94%。17本打って、1本しか外さなかった。凡ミスもわずか3本。完璧なテニスで大坂を押さえ込んだ。

しかし、第2セットの第3ゲームで初めて自分のサービスゲームを落としてから、調子が下降線をたどった。「勝敗を分けた鍵は1カ所じゃない。多くのことがからんだ」が、勝ちを意識してミスが増えたことは確かだ。

最終セットも1-4から3-4まで追い上げたが、最後は力尽きた。

ただ、16年12月に長男レオ君を出産し、母になって自身初めての4大大会決勝だった。

「(負けても)失望はしていない。ただ、負ければ、いつも残念。でも、いい2週間だった」

元世界女王が、復活のステップを踏み出した。【吉松忠弘】