関西学生アメリカンフットボールで昨季リーグ3位の神戸大が、目指す関西制覇に向け、体力強化に取り組んでいる。神戸市内のグラウンドで14日、フォーメーションの確認などが行われた。

神戸大は新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた3月5日から活動を自粛。7月20日に再開するまで、弱点だった基礎体力の向上を目指した。部員は、与えられた練習メニューをこなしながら、各自、自主的にジムや夜間の公園で汗を流した。

QB法貴(ほうき)俊哉(4年)は「スクワットで160キロを6回3セット。ベンチプレスはプラス10キロを上げられるようになった。体重も5キロ増えて、78キロになった。みんな体が大きくなってます」と言い、結果として、例年以上の仕上がりになった現状に満足げな表情を浮かべた。

一方で、長期間の活動自粛は大きな不安を募らせてもいたと吐露。チームの約7割のメンバーが大学からアメフトを始める。例年ならば春に実践を経験して秋の公式戦に備えるが、今年の春シーズンは中止。代わりにビデオ会議システム「Zoom」を使用したミーティングで、アメフトの戦略など知識を共有し実践不足を補ってきた。

だが、DL杉野太郎主将(4年)は「(知識だけでは)スキルが伸びにくい。試合経験が少ないメンバーが多いので、どうカバーするか」と頭を悩ませた。

今季はリーグ戦を行わずトーナメント方式で行われる。初戦の相手は近大(10月18日)に決まった。だが、間近に迫った公式戦を前に、いまだに試合形式での練習を再開できていない。

法貴は「他の大学には実践練習を積んでいる所もあるらしい。焦りもあるが(自分たちが)コントロールできないことを嘆いてもしょうがない。ポジティブにやる」と語った。【南谷竜則】