卓球Tリーグのオールスター戦が14日、無観客の中、都内で行われ「日本代表男子対女子」という夢の対戦では3-1で女子が勝利した。

1、2ゲーム目は女子が4-0からスタートする変則の11点制ハンディマッチ。1失点した選手は交代し、勝者は勝ち残る特別ルールで行われた。第3ゲームは1点勝負で女子が制した。

東京五輪代表の男子エース張本智和(17=木下グループ)と、12年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪と2大会連続でメダルを獲得している石川佳純(27=全農)の夢の対決も実現。2人は3回当たり、張本の2-1という成績だった。

石川は張本との対戦に「小学生以来の対戦だったが、サーブが全然、効かなかった。でも対戦できて良かった」と笑った。半年ぶりの試合ができた意義について「卓球界にとっても大きな1歩。ここから試合ができるようになればいいと思う」と語った。

一方の張本は石川について「いつも見ているきれいな球筋だった。速いボールを間近で受けることが出来て良い経験だった」と感想を述べた。女子選手との対戦全般については「男子選手にないサーブの回転、プレーの速さを感じ今後の男子選手との試合でも生かされるのでは」と語った。

新型コロナウイルスの影響で、日本選手にとって実戦は3月に行われたワールドツアー「カタールオープン」以来となる。先日、国際卓球連盟(ITTF)が11月に男女W杯、12月にワールドツアーグランドファイナルを開催する、国際大会の再開日程を発表。11月にはTリーグも開幕し、オールスター戦を皮切りに徐々に卓球競技が再開しつつある。

来夏に東京五輪開催を実現するには、このように各競技が日常を取り戻していくことが鍵となる。今大会開催に当たりTリーグはクラウドファンディングを実施。目標金額が300万円のところ約1090万円も集まった。国内外で各競技が再開しつつある中、卓球においてもファンが再開を待ち望んでいた表れでもあった。【三須一紀】