体操の全日本シニア選手権で約1年ぶりの再起戦に臨むオリンピック(五輪)個人総合2連覇の内村航平(31=リンガーハット)が21日、会場の高崎アリーナで記者会見に臨んだ。両肩痛の影響などで、東京五輪へ、6種目ではなく鉄棒に絞って挑む初実戦。「(リオデジャネイロ五輪後は)うまく準備ができていないことが多かった。今回はいい準備ができた。それがワクワクにつながっている」。試合を翌日に控え、わずかな笑みを浮かべた。思い描いた調整で仕上げ、手応えがある。

鉄棒に絞ったことで難度を上げる。18年に1度は取り組んだH難度の離れ技「ブレトシュナイダー(コバチ2回ひねり)」に再挑戦する。構成含め、理想型の披露にはまだ時間を要するが、空中姿勢で足が開かない、つま先まで伸びきっているなどの「美しさ」の持ち味は、今大会から見せつける。

これまでの6種目なら、所要時間は2時間以上。鉄棒だけなら大幅に時間は短くなる。「ほんの2分か、3分ないくらいで終わってしまう。演技自体は1分弱で、1分に今まで試合ができてないこと、鉄棒に絞ったことを凝縮させて演技として出せればいいかな」。その60秒に思いも技術も詰め込む。【阿部健吾】