来夏に延期された東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの新型コロナウイルス対策や簡素化を話し合う国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会と大会組織委員会の第10回会議が25日、オンラインで2日間の日程を終えた。

総括の合同会見にはIOCジョン・コーツ調整委員長(70)や東京2020大会組織委の森喜朗会長(83)武藤敏郎事務総長(77)が出席し、冒頭まずコーツ委員長があいさつした。

調整委を終え「スタジアムに、にぎわいが戻ってきた中で今回、延期対応の進展に関する報告を受け、開催計画の練り直しについて話し合った。非常に建設的なやりとりを行うことができ、約50項目の見直しについて合意した。組織委の皆さんの仕事ぶりに非常に満足し、高く評価している」と決定事項を発表した。

聖火リレー到着式の装飾見直しや大会関係者の参加数10~15%の削減、開閉会式の輸送コスト軽減など、さまざまな簡素化について「比較的、費用がかからないようにする項目を決定した。今後、収入、その他の視点から検討していくことになる。いずれ組織委が節約の資産額を出してくださるので、それを参考に10月7日のIOC理事会で検討したい」とした。

一方で「合意はしたが、終わったわけではない。さらなる聖域なき改善を大会まで続けていく。日本で新型コロナ対策調整会議が立ち上がったことをうれしく思っているし、来年7月23日の大会に向けて全力投球してくださっていることに感謝したいけれど、議論するのは楽。実行するのが難しい。創意工夫や受難性が必要になるが、ポストコロナ時代のふさわしい大会になると確信した。ニューノーム(新基準)への移行については日本側の努力で既に進んでいる。今回『東京モデル』と名付けました。今後の五輪開催に向けた基準になる」と称賛した。

最後にアスリートファーストを約束。「来年、あるアスリートが出られなかった、なんてことは絶対あってはならない。それが我々の原動力」と強調し、選手に必ず舞台を用意する覚悟を、IOCを代表して強調した。【荻島弘一、三須一紀、木下淳】