来夏に延期された東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの新型コロナウイルス対策や簡素化を話し合う国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会と大会組織委員会の第10回会議が25日、リモートで2日間の日程を終えた。

両者の合同会見にはIOCジョン・コーツ調整委員長(70)や東京2020大会組織委の森喜朗会長(83)武藤敏郎事務総長(77)が出席。質疑応答では、大会開催に向けて今回の調整委員会合意が後押しになりそうか、まず森会長が聞かれた。すると「今回のCocom(ココム=調整委員会)が、後から見て分岐点になったと見る人もいるかもしれないが、我々は必ず開催すると思ってやってきた。ここで急に自信がついたということはない」と力を込めた。

続けて「ただ、お願いしたわけではないが、タイミング良く(IOCトーマス・)バッハ会長の開催に向けたメッセージが23日に出て勇気づけられたし、国内でも安倍(晋三)首相から菅(義偉)首相に交代となった。管さんは安倍政権の継承をはっきりおっしゃっている。次の自民党総裁が決定する前、2人にお会いした際に『五輪を第一に考えてください』と申し上げてきた。安倍さんは『最重要課題だ』と言ってくださったし、管さんも『全面的に受け入れたい。東京大会の開催が菅内閣の一番の仕事だ』とおっしゃってくれた。これが調整委員会のタイミングと重なり、ありがたかったのは事実だ」と前向きに受け止めた。

また、簡素化について聞かれた武藤事務総長は「何かも協議をしてきた。聖域は設けずに見直す。あらゆる簡素化を実行していこうということ。効率化に関しては、そもそも既存会場の活用など、これまでも進めてきた。延期が単なる経費の節減ではなく、それを超えてロールモデルを作ることが東京大会のレガシーになっていく。『東京モデル』を作っていきたい」と自信を見せた。【荻島弘一、三須一紀、木下淳】