2度の4大陸選手権銅メダルの実績がある本郷理華(24=中京大)が、1年5カ月ぶりの復帰戦を迎えた。冒頭の連続ジャンプから最後のステップシークエンスまで、持ち味のダイナミックな動きは健在で、60・29点の3位発進に笑顔をのぞかせた。

昨季は休養した。「辞めるつもりだった」という。休養中は「仕事をしたり、仙台に帰ってゆっくりしたりしました」と報告。仕事はジュエリーショップの接客業だったと照れた様子で明かした。休むことを決めた直後はフィギュアを見ることはなく、他競技などを観戦していたが、自然とまた氷上に目がいくようになった。練習もまったくしていておらず、「またできるかな」と不安はあったが、「楽しくて、それでやろうと」。復帰を決め、1月からまた滑り始めた。コロナ禍で2カ月滑ることができなかったが、「でも、一歩ずつですね」と19年4月以来となる復帰戦に向けて進んできた。

この日は冒頭の連続ジャンプの後半は3回転でなく2回転にした。「今回は不安なく確実にできるようにしたくて」と構成を落としてきっちりと決めきり、「いまできることを出し切る」という目標は達成した。ドラマ「愛の不時着」の曲を使ったのは、「自粛期間中に見たドラマで、はまってしまい」と当初予定していた映画「キルビル」から変更したという。

いまの目標は年末の全日本選手権に出場すること。「まだまだ納得いかないところ、直さないといけないところ、もっとこうしなきゃというところはある。でも、一つ進めたと思うので、次に進めるように頑張りたい」と述べた。