「超新星」玉井陸斗(14=JSS宝塚)が、16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)銅メダル相当の高得点で連覇した。

予選を467・90点で1位通過。決勝は6本すべて80点以上として自己ベストの528・80点。2位に約115点の差をつけて、26日の3メートル板飛び込みとの2冠も達成。男子の個人種目2冠は10年坂井丞以来10年ぶり。11日に14歳になったばかりの中学2年が東京五輪でのメダルを見据えた。

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シュポッと水に入った。玉井は、3本目の109C(前宙返り4回半抱え型)でノースプラッシュを決めた。感染症対策で無観客も、関係者らの拍手が起こる。ジャッジ1人が10点満点をつける衝撃のジャンプ。14歳は「全国大会で10点は初めてです。めちゃくちゃうれしかった」と喜んだ。

世界レベルの演技だ。苦手の後ろ宙返りも含め6本すべて80点以上で自己ベストを25点も更新し、リオ五輪銅相当の528・80点。リオは風の影響がある屋外プールでメダル圏は低めだったが、屋内プールの昨年世界選手権でも銅まで12・15点差の4位相当。515点が目標だった玉井は「最高です。自分らしい演技をすると高得点が出せると分かりました。自己採点は90~95点」。辛口の馬淵コーチも「大幅ベスト。想像以上に成長してうれしい」。

成長期の壁にも順応しつつある。種目構成は昨年4月にシニアデビューVを飾った時と全く同じ。当時から身長は9センチ伸びて152センチ、体重は10キロ増えて49キロ。成長期に演技のバランスを崩す選手もいるが、玉井は当時より得点が50点以上もアップした。「肩幅が広くなって肘を真っすぐ伸ばして手が組める。入水がきれいになった」。自粛期間中は、陸上で跳躍器具や板飛び込みを反復。基礎を積み重ねて、技術を磨いた。

来年2月のワールドカップ(W杯)東京大会で五輪切符を狙う。14歳は「W杯は今回よりも高い得点で切符をとりたい。550点までいきたい。ダイナミックな演技をして五輪の表彰台に上がりたい」と目標を掲げた。【益田一弘】