男子シングルス1回戦で、大会史上2番目に長い6時間5分の大激戦があった。

予選勝者で世界157位のジウスティノ(イタリア)が、同71位のムーテ(フランス)を0-6、7-6、7-6、2-6、18-16で下した。04年1回戦で記録された大会最長の6時間33分に続く2度目の6時間超え。同52位の西岡良仁(25)は初戦突破。同94位の杉田祐一(32)は敗れた。

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歴史に残るタフマッチは、もう全仏でしか起こらないかもしれない。最終セットだけで34ゲーム、3時間の激戦。これは現在、全仏でしかあり得ない死闘だ。最終セットにタイブレークや制限がなく、2ゲーム差をつけるまで行うのは、4大大会の中で、全仏だけになっている。

ジウスティノは最終セット、「タイブレークがないと知って、まじって思った」。テニスは元々、タイブレークがなかった。プロ化が進んでテレビで放送されると、試合時間が不明で、長時間は嫌われる。そこでタイブレークが生まれた。

全米は70年に最終セットに採用した。遅れること約50年。19年から全豪は最終セット6ゲームオール後に10点先取タイブレークの使用を決めた。同年、ウィンブルドンは最終セット12ゲームオール後に、タイブレークを採用したため、最終セットが古典的なシステムは全仏だけとなった。

○…杉田が、進境著しい21歳の前に完敗だ。相手は、新型コロナでツアーが中断する前とはいえ、2月のブエノスアイレスでツアー初優勝。再開後も、全仏の前哨戦で2大会連続4強で、杉田は勢いに押された形だ。「スタートが悪かった。自信を持ってプレーできなかった」と悔やんだ。

◆WOWOW放送予定 30日午後5時50分から。10月1日午前0時から。ともにWOWOWライブ。男女シングルス2回戦ほか。生放送。WOWOWメンバーズオンデマンドでもライブ配信。