師弟コンビ集大成の3年目がスタートする。バスケットボールのBリーグが2日に開幕。昨季B2東地区1位の仙台89ERSは宮城・名取市民体育館で2、3日の2連戦で、昨季同6位の山形と「東北ダービー」を戦う。就任3年目の桶谷大ヘッドコーチ(HC、42)の下、桶谷体制1年目から主将を務める月野雅人(31)が開幕ロケットダッシュに闘志を燃やした。東北ではB2福島が3、4日にホーム青森戦。唯一B1の秋田は3、4日のアウェー信州戦で白星発進を狙う。

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昨季最終戦(アウェー福島戦、3月14、15日)から約6カ月半。開幕を前日に控えた1日、仙台桶谷HCは「やっと自分たちのバスケットを皆さんに見せられる。やっとこの日が来たとワクワクしている」と高揚した。昨季はコロナ禍によるシーズン途中の打ち切りとなったが、35勝12敗の東地区首位で終えた。オフにB1のA東京から期限付き移籍で身長187センチの大型ポイントガード笹倉怜寿(23)、B1川崎から同197センチの鎌田裕也(30)らを獲得し、全体的なサイズアップに成功した。指揮官は「自分たちが欲しかった選手が取れたので、いい補強だった」と新生89ERSに期待を寄せた。

18年に入団した月野主将は桶谷HCと同時に入団会見を行うなど、苦楽をともにしてきた。HCと選手の付き合いはbj岩手(現B3)時代の3年間を含めると今季で6年目となる。「オケさんが作りたいチームを浸透させる役割がある。僕自身ステップアップしながら、より良い1つのチームを作りたい」。

開幕戦で迎え撃つ山形には、仙台から新号健(25)が移籍した。同じポジションの月野主将は「練習からマッチアップすることが多く、バチバチやるのは楽しかった。別のチームで新たな健のスタイルもできていると思うので、今度は対戦相手としてできるのは楽しみ」と再会を心待ちにする。山形との対戦成績は18年から9戦9勝の好相性。月野主将は「ホームで楽しみにしてくださるファンがたくさんいる。開幕戦を勝利して、良い話題を宮城県に届けたい」。目標の「B2優勝」と「B1復帰」を実現するため、1戦必勝で1年間を戦い抜く。【相沢孔志】