白血病からレース復帰した日大・池江璃花子(20=ルネサンス)が、決勝で4位に入った。初出場の同選手権で予選は25秒87の全体6位で通過。決勝は25秒62をマークした。1年7カ月ぶりに出場した8月29日の東京都特別大会で出した26秒32を更新した。コロナ禍で4月から12月に延期となった日本選手権の参加標準記録は25秒94になる予定で、この日のタイムで出場資格を得ることは確実だ。

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約1カ月でタイムを0秒70も更新した。池江は、後半を粘り強く泳いだ。表彰台まで0秒04差だったが「今の状態では上出来です。4位は悔しいですが、この気持ちが活力になっていく。(復帰後の)第2の水泳人生として自己ベストを出したので満足感がある」。

1年7カ月ぶりとなった8月29日の復帰レース。「正直、不安が大きかった。細い体で前と違う自分を見せることに恥ずかしさを感じた」。長い闘病生活をへて、やっと戻ってきたプールで不安を感じた。「このままじゃだめだ。とにかく練習を楽しもう」。泳げる喜びを大切に考えた。レースの組み立てもラスト15メートルで失速した前回の反省を生かし、1回の息継ぎをラスト10メートルに入れた。「戦略通りに泳げたと思います」。

この日のタイムで日本選手権の出場資格が見えた。池江は「出る、出ないは決まってないです。今は実力を戻すことがメイン。1歩ずつやっていきたい」と体調やコロナ禍を見極める構え。一方で今大会のリレー出場には「もし選ばれたら使命と思って泳ぎたい」。1年前は観客席で見た大学生の祭典。初出場の池江は20歳らしく、たっぷり味わうつもりだ。【益田一弘】