バスケットボールBリーグの20-21シーズンが2日に開幕し、レバンガ北海道は3日に今季開幕戦、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦(愛知・ドルフィンズアリーナ)を迎える。ポイントガード(PG)橋本竜馬(32)が今季から主将を務める。前からの激しい守備を掲げる新生レバンガにとって、最初に相手にアプローチをかけるPG橋本の役割は大きなポイントになる。攻守で司令塔となる新リーダーに、今季にかける思いを聞いた。【取材・構成=永野高輔】

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-精神的支柱だったレジェンド折茂武彦社長(50)が引退して最初のシーズン。新たなけん引役としての責務は重い

橋本 大学時代に主将をしていたときは、とにかく一方的に自分から言っているような感じだった。だが、いろいろな経験を積んで、考え方が変わった。自分だけでなく、全員の力を生かす、人の力を生かした方が大きな力になることを知った。それは折茂さんや桜井(良太)さんや代表で一緒だった田臥(勇太=宇都宮ブレックス)さんとの出会いも大きい。心の変化があった。若手、中堅、ベテランとも、よく話すこと。何か言うときは、まずは話を聞いて理解してかみ砕いて、タイミングを見ながら言っていくのが大事。自分だけが発信者になるのではなく、みんなのいいところを引き出して、周囲を巻き込んでいけるようにやっていきたい。

-新チームが目指すスタイルとは

橋本 自分たちが、これからどういうバスケットボールをするのかをBリーグ全体に知ってもらうための大事な1年になる。激しい守備の部分をやり続け、徹底すること。それを主将としてリードできるようにしたい。極端でユニークなバスケットだが、他にないものを見せたい。相手に持たせない。最初の時点でしっかりつかまえて、引いた状態にさせる。敵陣にボールがある時点でひるませる。当然、自分のところでのコンタクトも、ボールに手を出す回数も増える。PGは、守備の最初のスイッチ役割になるので、40分間プレッシャーをかけ続けて、フラストレーションを与え続けていきたい。

-4試合のプレシーズンゲームでの手応えは

橋本 自分たちのやり方を徹底できた試合は、勝てるが、少しでも緩むと負ける。40分間、一定の守備の強度を保てるかが、勝敗のカギを握ると感じた。

-宮永監督の印象は

橋本 厳しい要求をしてくるのかと想像したが、強要というのではなく「みんなならできる」という感じで言われるので、こたえなきゃという気持ちになる。激しいバスケだが監督は冷静。穏やかな中に燃えるものを感じる。

-個人的に準備してきたことは

橋本 宮永さんのバスケットに適応できるように、7月は83・8キロだったが、77キロまで絞った。プロ入り史上1番軽い。動きやすいしスピードも上がっていると思う。始動前に折茂さんと食事をして「うまくいかなくてもやり続けることを、先頭に立って示してほしい」と言われた。つらいときも、1歩前に踏み出せるようにしたい。

-地区最下位に終わった昨季からの反省点は

橋本 昨季は、B2に降格してしまうという状況もあって、落ちないためにはどうしたらいいかということも考えながら戦っていた。徹底というより、いろんな思いが交錯しての戦いだった。失敗してもやり抜くんだという勇気が足りなかった。あのままだったら2部に降格してしまったかもしれない。そう感じた選手がどれだけいたかが大事。今季は、降格がないというシーズンということもあり、自分たちのカラーが何なのか、新しいことに着手できる年でもある。最初の目標をやり続けていくことで、レバンガの新たな色を出していきたい。

-チーム10年目。ファンに伝えていきたいことは

橋本 今季のスローガンは「This is us.」。チームだけでなく、ブースターのみなさんと一緒に、レバンガとはこういうチームなんだというものを披露し、コートもスタンドも一丸となって北海道を盛り上げていけたら。