秋田ノーザンハピネッツが逆転で信州ブレイブウォリアーズを下し、開幕2連勝を飾った。第1Qで10-26と大差をつけられながらじわじわと追い上げ、最後は80-76で競り勝った。昨季、同一カード2連勝はわずか2度。初戦で勝利しながら2戦目で敗れたのは6度あっただけに、今季のハピネッツは、ひと味違う!

昨季までの勝負弱さは、なかった。秋田が昇格初年度の信州に、地力の違いを見せつけた。開幕戦を80-55と大勝し迎えた第2戦。序盤から積極的に仕掛けてくる信州の攻撃に対応できず、第1Qで16点の大差をつけられた。シュートの正確性も欠きわずか10得点。それでも、焦らない強さが備わっていた。

後半開始前に前田顕蔵ヘッドコーチ(38)は「日本人選手がなめられているんだよ。君たちのシュートが入らないから『預けていいよ』と思われている。それでいいのか。決めないと負けるよ」と喝を食らわせた。すると、徐々に点差は縮まる。ついに2点差に追い上げた第4Q、一進一退の攻防が続く中、2年目のPG大浦颯太(22)が3Pと2Pを連続で決め逆転。さらに古川が3P、2Pを決め突き放した。大浦は「自分がダメでも先輩たちがカバーしてくれると思って思い切っていけた」。昨季までの得点源キーナン(現・群馬)が抜け、日本人選手の得点力アップが急務な中、前田HCは「大事なシュートを日本人選手が決められたのはよかった」と、手応えを感じていた。

昨季まで、連勝が難しかった。古川は「今日も出だしでああなったんで、結局まだ変わっていないですけど。それでも16点リードされても焦らず少しずつ重ねて勝てたのは、大きな意味がある」と収穫を口にした。前田HCも「ずっと粘って粘って粘って逆転して勝ち切れたのは、大きな経験」と評価した。

好発進も、気を引き締める。古川は「目標に掲げているのが優勝なので、これで勝てるかというと間違いなく勝てない。自分たちが見据えているものが何なのかをもう1回見つめ直さないと。今回の試合を生かし、もっともっと上を目指していきたい」。ハピネッツは、間違いなく前進している。【野上伸悟】