第6戦が行われ、レーカーズがヒートに106-93で快勝し、4勝2敗で10季ぶりの頂点に立った。17回目のファイナル制覇はセルティックスに並び最多タイ。チームの顔として活躍し、今年1月に死去したコービー・ブライアント氏に捧げる優勝となった。主軸のジェームズが4度目のファイナルMVP選出。第6戦では28得点、14リバウンド、10アシストのトリプルダブルで存在感を示した。

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レーカーズはシーズン通して強いディフェンスからの速い展開というスタイルが生きた。ジェームズとデービスを中心としたチームは、相手の身長が高くても低くても、それに対応できるラインアップを組むことができる。またプレーオフ不参加のブラッドリーに代わって出場した若手やベテランが結果を残すなど、層の厚さも際立った。

一方、ヒートのエース、バトラーは初のファイナルで経験も少なかった。トリプルダブルを2試合記録し、何とか勝利したが、これまで平均40分以上の出場で過密日程の中、疲れも見えた。後半は切り替えの速い動きについていけなくなり、核を失ったチームは機能しなくなった。

コロナ禍でシーズンは3月に中断。7月末からディズニー・ワールド・リゾート内の施設を貸し切って再開したが、選手たちは長くて約3カ月間、同じ場所での生活を強いられ、精神的にもきつかったと思う。ただ、期間中1人の感染者も出なかったことを考えると、NBAの150億円以上をかけての開催は成功と言っていいだろう。(NBAコメンテーター)