生まれ故郷での晴れ舞台に旭川龍谷WTB風張祐希(2年)がひときわ輝きを放った。前半だけで先制トライを含む4トライ。「チームを勢いづけたいと思って必死に取りにいきました」。69得点で北見工を圧倒した火付け役は笑顔で振り返った。

2連覇中の王者の重圧を吹き飛ばした。前半4分。敵陣10メートルのラックから左に展開されたパスを受けて、今大会初トライ。さらに残り26分間で3トライを続けた。今年3月から5月にかけて毎食3合、1日9合の白米を食べて体重を14キロ増の94キロまで増やした。その後は今大会までに82キロまで減量し「足の運びもスムーズになった」。コロナ禍での肉体改造が量産トライにつながった。

好調の要因はもう1つ。「地元開催でおばあちゃんも来ていたので、頑張りました」。帯広市出身で小中学校を過ごした地。孫の雄姿を見守った祖母高橋良子さん(78)は「普段はあまり会えなくて寂しいけど、活躍してくれて良かった」と喜んだ。勝ち進めば決勝までの2試合も良子さんが観戦する予定。風張は「次の試合も、決勝もトライを取りたい」。北大会3連覇まであと2つ。祖母思いの背番号14が王座死守には不可欠だ。