柔道男子代表の井上康生監督(42)が16日、16年リオデジャネイロ五輪男子73キロ級金メダルの大野将平(28=旭化成)のリーダーシップを称賛した。

東京五輪男子代表は12日から都内の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)を拠点とした強化合宿を実施している。今年1月以来の合宿で、各選手の状態を見ながら強豪大学などで稽古に励んでいる。

この日、オンライン取材に応じた井上監督は「選手の中でも大野の存在感がすごい。五輪を1度経験していることもあり、リーダーシップを持ってチームを引っ張ってくれている。技術面やメンタル面などの情報交換もして、非常に頼もしい。彼自身の存在が改めて大きいと感じている」とたたえた。

約9カ月ぶりに非公開で実施した代表合宿では、来夏の五輪へ向けて、改めて「一致団結」して臨むことを再確認した。コロナ禍の影響で中断している主要国際大会は23日から再開するが、12月のグランドスラム・東京大会が中止になるなどこの先も不透明な状況が続く。「五輪延期に伴い、スケジュールも非常に難しい。(大会の)突然のキャンセルなど、日々変化することを想定した上で柔軟に対応する力が大事だと考える。選手は日々葛藤もあるかと思うが、五輪開催を信じて前に進みたい」と、42歳の指揮官は9カ月後の本番を見据えた。